リアルは苦手。
偶然、会社の女の子のデートを見てしまった。
セレクトショップの試着室の中、狭い個室、似合っているのかどうなのか、本当に欲しいのかもわからないまま試しに着てみた冬の服。
買うのを断る理由を探しながらカーテン越しに外を覗き隙間から見つけたカップル。
「おおっ」と思ったら、こちらに近づいてきたので、
僕はあわてて隙間を塞ぐ。
隣の試着室、会社の子。そこから聞こえる彼女の声は、いつもの甘ったるく天然気味の僕の知ってる彼女ではなく、ちゃんと意見を言い、彼をリードするというか、彼を尻に敷く強気の女だった。
知っている人の知らない部分を見てしまうのは、こちらの方が戸惑ってしまう。
それは、逆の立場であったら、裸を見られるよりも恥ずかしい。
恋人になるということは、家族になるということは、生身の自分をさらけ出すということだ。
生身の相手を好きになるということだ。
そんなこと俺にできるのか。
できてたのか?
「食事を見られるのは嫌いなの。SEXを見られるよりもね」。
というのは、ドラマ「傷だらけの天使」での岸田今日子の台詞だ。
そうだよなあ。食事だって生理だよな。
人の思いはどのぐらい時をやり過ごせば消えるのか。
人の欲はそれが叶えば消えてなくなるのか、それとも姿を変えて生き続けるのか。
どのぐらい願えば罪は消えてなくなるのか。
辛い思いは、時がすべて消し去るというが本当にそうだろうか。
思いつくままの記載。風邪気味。
写真は、秋の初め、表参道であの子と一緒に食べたお茶のアイスクリーム。